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乳酸菌と腸の関係
毎日、腸の内部を内視鏡でのぞいた医師によると、「健康な人の腸壁は、淡くピンクがかったきれいな粘膜で、表面を走る血管までくっきり透けて見える。それに対し、成人病、ガンなど、何か病気を抱えている人の腸壁は、ぬめっとした感じで、濁った土色の粘膜」だといいます。
この話からもわかるように、腸壁の状態(腸相)がよくないと、肌ツヤの衰え・肩こり・冷え性といった不調にはじまり、大きな病気を引き起こす原因となります。
では、何が腸壁を乱しているのでしょうか。その原因の一つに食事が上げられます。腸内環境が悪い人の食事はほぼ決まっています。肉食、加工食中心の高脂肪・高たんぱく食に偏りがちです。穀物や野菜などの繊維質、ビタミン、ミネラルが少ないのです。
そういった食事の乱れ、腸内環境の乱れ、体調の乱れをつなぐキーワードがあります。「腸内細菌」です。
腸内には120兆以上もの腸内細菌が棲みついています。実は、この腸内細菌のバランスを良好に保つことが、大変重要なのです。腸内細菌には腐敗物やガンの原因物質を作る悪玉菌と、腸の機能発揮に役立つ善玉菌とがいるのですが、もちろん善玉菌が多い状態が理想です。善玉菌には、腸を刺激する有機酸を放出し、蠕動運動を活発にしてくれる働きがあるため、お通じは順調で、腸壁も肌もきれいになるからです。そんなお役立ちの善玉菌の好物が、繊維質。だから繊維質に富んだ食事を心がけることは、とても大切なことです。
腸内環境が悪くなるにつれ、体調も悪化してしまうもう一つの理由に「腸管免疫」の低下があります。
腸壁には、吸収すべき栄養素と、排除すべき毒物や病原菌の両方が入ってきます。これらをきちんと見分けて、栄養は取り入れ、外敵は撃退、という神業をやってのけるのが「腸管免疫」です。ところが、腸内環境が悪化しているときは、腸管免疫の働きも鈍ってきます。善玉菌(乳酸菌)が少なく、微量栄養素が不足している人は、外敵 である病原菌やウイルスなどへの抵抗力も衰え、感染しやすくなってしまうのです。さらには本来、吸収すべき栄養素に対しても、「腸管免疫」が攻撃を仕掛けてしまう食品アレルギーにもつながってしまいます。
善玉菌(乳酸菌)を増やすことと食生活を見直すことで、腸の健康を万全にしたいものですね。 |
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